電車を二本乗り継いで、山を開拓した住宅街のさらに上、風通しがよく見晴らしの良い場所にふたりが眠る墓地がある。
久し振りに見た墓地へと続く坂道は、母が死んだあと祖母とふたりで何度も登ったことを思い出す。
「あの子は、天国へ行けたのかねぇ」
この坂道を登る途中、祖母はいつもぼんやりとそう呟いた。
「行けなかったんじゃないかな」
高校生だった真希がそう答えると、
「そうだねぇ、人様のものに手を出したんだからねぇ…」
と言って、いつも祖母は悲しそうに空を見上げ、真希は黙ってそれを見ていた。
母はきっと、地獄に落ちたに違いない。
そう思いながら。


