「もうすぐ今年も終わるんだ…」



窓の外を見ながらぼんやりと呟いた真希の、すっかりメイクの剥げた横顔をちらりと見て、太一はふっと微笑んだ。



よほど疲れているのだろう。
うっすらと閉じかけている瞼を一生懸命持ち上げようとカクンカクンと動いている小さな頭。



「着いたら起こしてやるから、寝てていいよ」



太一が言うと、真希はゆっくり目を閉じた。



「タッちゃん…ありがと」



寝言のように呟いて、真希はすやすやと寝息をたてた。





「…真希、お疲れさん。来年もよろしくな」



太一は助手席ですやすやと気持ち良さそうに眠る真希に微笑むと、小さな声で囁いた。