「……えっと…も、戻っちゃったね…」
「…そうみたいね」

おそるおそる言ったぼくに、月子ちゃんはうんざりしながら答えた。

元の体に戻るにこしたことはないのだけれど、本当にいろいろと突然過ぎて、どっと疲れたのだろう。
ぼくだってそうだから。

「…えっと、どうしよっか…」

目的地はすぐ目の前だ。
だけどぼくがここまで一緒についてきた意味は、つい今しがた無くなってしまった。

ここは空気を読んで、帰るべきだろうか。
自分の家に。

「…そうね…せっかくここまで来たんだし、もうあがっていったら?」