「そ、それにぼく、そんな見た目だから…第一印象良くないし、家に入れてもらえないんじゃないかな…」
大抵の人は、ぼくの外見になんらかの拒絶を示す。
中身はこんな弱虫の意気地なしでも、外見だけは迷惑なほどに存在感があるのだ。
「月子ちゃんの弟さんや妹さんも、こわがっちゃうよ…」
「なんでよ、だってこれ、地毛なんでしょう?」
「そ、そうなんだけど…でも…っ」
「そう言えばいいじゃない、きっと弦は喜ぶわ、あの子少女マンガ大好きだから」
少女マンガ好きだとなぜ喜ばれるんだろう。
月子ちゃんの思考回路はちょっとナゾだ。
それにみんな大抵、怖がるかイヤがるか拒絶する。
そういうもので、それが当たり前なのに。
だからいつも執拗なまでに、髪色を隠して顔を隠して。
外に出ないように、していたのに。
あ、でもそういえば月子ちゃんは…月子ちゃんだけは、違ったな。
最初から、ずっと。