なんとか買い物を終えたぼく達は、ようやく帰路につく。
ものすごい体力と精神力の消耗に、ぼくは言葉もなかった。
「あそこのスーパー、目玉のタイムセールは休日だから本当は兄弟総出で来れれば一番いいんだけど、瑠名もまだ小さいし、たくさん買っても持って帰るのには限度があるのよね。たまに朔夜も付き合ってくれるけど、日曜に朔夜のバイトが入っていない時なんて、ほとんど無いし…だからいつもあたしひとり分しかタイムセール品をゲットできなかったけれど、今日は本当に充実した買い物ができたわ。あなたのこの体力も持久力も皆無のひきこもりの体でも、中身があたしだと少しはマシみたいね。…根本的なとこでは、超えられない壁もあるみたいだけど」
言いながら月子ちゃんがちらりとぼくの方を見る。
それぞれの両手には、本日の戦利品が詰まった大きな買い物袋がぶらさがっている。
だけどその量は明らかに偏っていた。
ひ弱なぼくの体では荷物を持つにも限界があるようで、普段重たい荷物を持つ月子ちゃんの体の方がそこは数倍も勝っていた。
最初月子ちゃんが買い物袋を半分以上持とうとしてたんだけど、ぼくの体じゃムリだったようで。
はたから見ると女の子の月子ちゃんの方が買い物袋をたくさん持っている状況だ。
中身はぼくなんだけど。
「ほんと、すごいね月子ちゃんの体…よくこんな重たい袋4つも持てるね…」
「ちょっと、油断して落とさないでよ、慣れてるだけで重たい事実に変わりはないんだから」