「この公式サイトは、基本的にこの学園の生徒以外はアクセスできない。けどみんな知らなかっただろうけど、これ、保護者もアクセスできるんだよね。保護者専用のアカウントで。しかもこの映像自体は、インターネット上にも乗っけてある。大変、明日からみんな、人気者じゃん! 最近のカメラって映り綺麗だからねぇ…ハッキリ顔、映ってるよ。言い逃れできないくらいに。もしかしたらケーサツも、きてくれるかも。…学園の外で……誰か守ってくれると、いいねぇ」

昴流さんの、笑ったままの冷ややかな視線が、桜塚たちに向けられた。
堀越恭子とその周りに居た女子が泣き出す。

静まり返る教室内とは対照的に、廊下が、隣りの教室が、学校全体が。
騒然となっていく気配を感じた。

「……なんで、アンタが…」

昴流さんを睨みつけたまま、桜塚が唸るように口を開いた。
その拳からはぼくの血が、床に零れて撥ねる。

「……お前と、一緒だよ」

昴流さんが答えたその瞬間、纏っていた空気が色を変える。

何度かぼくも触れたことのある、獣みたいな目だった。

「ただの暇つぶしだよ」