「お前のせいで晴れてウチのクラスは“いじめのあるクラス”になっちまった。せっかくだからお望み通り、全員参加してもらおうと思ってな」
「そんなこと…ッ 望んでな…」

「だってそうだろう…? お前はこのクラス公認の、“いじめられる役”なんだから。こいつらも全員同罪だ。だから教えてやるんだよ、いかにお前に居てもらわないと困るか。誰もお前を助ける気なんてない。お前が居なくなると、次は誰に回るかわかんないからな…その“役目”が。みんな必要としてるんだよ、お前を、“いじめられる役”を」

…そんなの、はじめからわかってた。

教室内で、あたしが居なくなればいいのにと疎む気持ちの一方で…あたしで良かったと、自分じゃなくて良かったと、みんな思っているってこと。
あたしの痛みの上に、ほかの人たちは安堵と平和を得ていること。
そんなの、解っていた。

「…なに、する気…」

起き上がろうとしたその背中を、踏みつけられる。
抵抗する両腕を押さえられ、羽交い絞めにされた。

「抵抗すんなって、いつもしてねーだろ? 利口になれって、痛いだけだぜ」

笑いながらあたしの体を押さえつける。
気持ち悪いと思った。
心の底から、怖いと。

だけど彼らはやっぱり、笑っていた。
誰も止める人はいない。