「…でも、なんでこのタイミングで…っ」

ぼくはさっきまで、学校で…学校の放送室のマイクを奪って、校内アナウンスを乗っ取っていた。
そして、打ち明けた。
ぼくと月子ちゃんがいじめられているという事実と、それから桜塚たちの、名前を。

ぼくの記憶はそこで途切れていた。

「…月子ちゃん…」

ぼくが元に戻ったということは、きっと月子ちゃんも目覚めたのだろう。
戻って、きてくれたんだ。
でも、そうすると今は…

「…学校…」

あんな、状態で。
月子ちゃんだけを学校に残してしまった。

それはぼくにとって、想定外の出来事だった。
このタイミングで元に戻るなんて、思っていなかったんだ。

込み上げる不安に吐き気がした。
だけど吐いてる場合じゃなかった。