バカなことしてるな、と我ながら思う。
でもこれ以外の方法が思いつかなかったし、後悔はしないだろう。

ただひとつだけ、自分自身の口からじゃなくて月子ちゃんの体を通して、言葉を発していること。
それだけは月子ちゃんに申し訳なく思い、そして悔しくもあった。

だけどそれは、自らが蒔いた種でもある。
ずっと逃げ続けていた結果がこれなのだから。

だけど、もう。
それは終わりにしよう。
…いっしょに。

『あたしと…それから同じクラスの、鈴木、陽太は…』

月子ちゃんはなんて言うかな。
きっと怒るだろう、勝手なことをして。

でも、いいや。月子ちゃんが起きたら…目を覚ましたら。
いつもみたいに「バカね」って、叱ってもらおう。

『ずっと、いじめに…あっています…もう、ずっと。相手は…』