“瑠名が生まれる前に、あの人はもう、余命を宣告されていたの…”
あの時。医者になりたいって打ち明けた、あの時にはもう。
お父さんは知っていたんだ。気付いていたんだ。
間に合わないって。
わたしがどんなに頑張っても、ムダだって。
こんな、わたしが。
『わたし…本当に救いたいって、思ってたのかな…それが一番正しい選択だって、勝手に自分で、思い込んで…そんな気持ちで、わたし…自分が否定されて気になって……あたしは…!』
あの日を。
あたしはきっと一生忘れないだろう。
あの日あたしは自らの罪を生んだ。
そして同時に受けるべき罰も。
あの日、生まれたんだ。