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窓の外は少しずつ、明るさが町を満たしてゆく。
カーテンの隙間から覗く朝日が、部屋にゆっくりと伸びてゆく。

月子ちゃんの体は、薬と注射のおかげか大分楽になっていた。
月子ちゃんもとい、ぼくの体は、まだ目を覚まさないままだ。

あの後月子ちゃんのお母さんと家族をなんとか誤魔化しながら、けっきょくこの部屋で一夜を明かした。
心配とはいえ年頃の男が一晩、娘の部屋で寝ているなんて非常識もいいところだ。
でも意識がないんですとは言えず、月子ちゃんの威を借りて、なんとか頼み込んだ。

流石にベッドの上に運ぶことはできず、そのまま床に寝かせ毛布をかけてある。

ぼくは月子ちゃんのベッドを借りて横になりながら、ひとまずはこの体をこれ以上悪化させない最善の対処をした。

途中何度か呼びかけてみたけど、やはり反応はなかった。
心臓は動いていたし、呼吸もしてはいる。
だけどまるで生気が感じられない様子に、ぼくは言い様のない不安に駆られる。

こんなに長い間元に戻らないなんて、入れ替わったままなんて、初めてだった。