頬が熱い。呼吸が震える。だけど言葉は溢れてきた。
「が…っ、ガンバるよ…! 上手くいかなくても、今までしてこなかった分、これからたくさん、がんばる…! がんばることくらいなら…っ、結果がダメでもなにも変わらなくても、ガンバることならぼくにも、できる、はずだから…だから、月子ちゃんも…! もう、ひとりになろうと、しないで…痛くないフリして、平気な顔して、自分を押し殺してしまわないで…償いたいなら、ちゃんと向き合って…! ひ、ひとりじゃ、ムリなら…ぼ、ぼくが、居るよ、傍に居る…月子ちゃんが、呼んでくれたら…“誰か”じゃなくて“ぼく”を…っ、呼んでくれたら…! 今度はぼくが絶対に、きみを救いにいくから…!」
愛の告白をしたかったわけじゃない。
さっき月子ちゃんのお母さんからプロポーズの話を聞かされたのには…ちょっと影響されているのかもしれない。
だけど勢いだけの簡単な気持ちで言ったつもりはなかった。
心からの、本心だった。
「……」
部屋の中が静まり返る。
心臓だけがうるさくて、聞こえてしまうんじゃないかとひやひやした。
「……あたしは…」
ベッドの中から聞こえてきた声にびくりと体が大きく反応する。
繋いだ手から電流が流れた気がした。
「…もう…がんばれない…」