ひとりぼっちの勇者たち



次にあたしが目を覚ましたのは、自分の部屋のベッドの上だった。

まだ意識が朦朧とするなか、映ったのは見慣れた天井。
狭い四畳半にむりやり詰め込んだ2段ベッドの片割れは、小さい時からずっと使っているものだ。
もう片割れは朔夜が使っている。今も、多分。

幼い頃…あたしがまだそこまで聞き分けや物分りが良くはなかった頃。
自分専用のベッドが欲しいとねだったのだ。
だけどお父さんが買ってくれたのは、2段ベッドだった。

『どうして2段ベッドなの?』
『ひとりじゃ寂しいだろう? それに…もうすぐ月子に、弟が増えるんだ。その弟と、いっしょに使うんだよ』

『わたしはもう、ひとりでも眠れるよ』
『はは、そうだなぁ…なぁ、月子。月子は、お姉ちゃんなんだから――』

わかってるよ、お父さん。
わたし、お姉ちゃんだもん。
この家の、長女だもん。

もうすぐ弟が、増えるんだよね。今はまだお母さんのお腹の中だけど。
しかも双子、なんだって。ふたりもいっぺんに、増えるんだよね。

わたしもすごく、楽しみだよ。ゆづるもすごく、楽しみにしてる。
きっとたくさん、かわいがる。お世話もお手伝いもたくさんする。

でもそれなら3段ベッドの方が、よかったんじゃないかなぁ。

『弟達のこと、頼んだぞ』