「生きてる意味も、価値も、理由もない…! ひとの人生をめちゃくちゃにしておいて…ぼくだけのうのうと生きてるなんて、そんなこと許されるはずが、ないんだ…!」
まるで懺悔みたいだと思った。
彼の神様は、きっと彼を救ってくれはしない。
「ぼくなんか…っ、死んだほうがいいに、決まってる…! みんなだって、…う、…そう思ってる…!!」
言いながらごほごほと咳き込む背中をさすってやる。
熱があるくせに、興奮するから。
興奮させたのはあたしなんだけれど。
嗚咽が混じり呼吸すら上手くできていない。
溺れるみたいに喘ぐみたいに、ただ吐き出している。
自ら吐いた棘をまた自分で呑み込んでるみたいだと思った。
それはだれの棘だろう。毒だろう。
彼はもう笑っていない。
いつからか、きっと、ずっと。