それまで彼の──八坂昴流の存在は、噂で聞く程度だった。
あの日に初めて会うまでは。
校内でも校外でも良い噂は耳にしない。
派手な外見に暴力的な性格。
学校内でも一目置かれていて、教師も彼らには一切口出ししない。
桜塚健太達や堀越恭子達でさえ、自分達とは毛色の違うその存在にあえて関わろうとはしていなかった。
確か、親も有権者だった気がする。
つまりは住む世界の違うヒトだ。
そんな彼が、どうしてだか桜塚達とつるむようになっていた。
先日呼び出された際には、その場所にまで居るようになった。
彼も遊びに加わったのだ。
遊ぶ側として。
理由なんて知ったことではないけれど。