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有名な著者の大人達は言う。
“いじめは見逃しちゃいけない。見過ごしちゃいけない。大人は子供を守る義務がある”
教壇に立つ大人達は言う。
“みんなで仲良く、助け合いましょう。学校は人生の学び舎なんだから。いじめなんてそんなもの、このクラスには存在しない”
テレビの向こうの大人達は言う。
“いじめられる側にも非はある”
──ぼくは。
彼らの言う“子供”にはきっと該当しなくて、彼らの言う“みんな”には属さなくて、だけどぼくが悪いんだってことは、言われなくても解ってた。
だからきっと誰も助けてくれない。
はやく大人になりたくて、だけど大人にはなりたくなくて…あの小さな暗い部屋で時間だけは確実に、過ぎ去っていった。