足が震えたけれど、心臓も震えたけれど、心も震えていた。

暗い夜道に見えるコンビニの明かり。
ぽっかりと夜空に浮かぶお月様みたいに、そこだけ切り取られたように浮いていた。

伸びる人影。
まだふたりは対峙したまま何か話してしるようだった。

「…っ、は、はぁ、月子、ちゃ…」

さっきよりも体が重い。
恐怖からか、思うように動かせない。
足が、もつれる。

視界にふたりの姿は、映っているのに。
辿り着けない。

「……っ!」

対峙した男の人が、月子ちゃんの手をとった。
月子ちゃんは何も反応していない。

どうしてだろう。

月子ちゃんは、どうして――

「月子ちゃん…!!」


そんなカンタンに、連れていかれたりしないで。