「…つ、月子ちゃんの、知り合い…?」
「……そうね。あまり認めたくはないけれど」

こそりと訊いたぼくに、やっぱり冷静に月子ちゃんは答えた。
男の人はゆっくりと、距離を縮めてくる。

その様子に、反射的にぼくはパーカーのフードをきつく頭に押し付け、一歩後退した。
もはや体に染み付いた自衛の行動だった。

「…そっちの彼は、お友達ぃ?」

鋭い眼が、ぼくを射る。
ガリ、とキャンディーを噛み砕く音がやけに響いた気がした。

びくりと体を震わせるぼくを庇うように、月子ちゃんが自分の体で彼の視界からぼくを隠した。

「あなたは、面識は無いのよね…?」
「え、う、うん…」

「そう、じゃあ…」

ぐい、と突然月子ちゃんに体を押される。
コンビニの明かりの届かない、反対側の暗闇に。