コンビニから出てきた男の人は、月子ちゃんを知っているようだった。

チャリ、と一歩に混じって鳴る金属音。
コンビニの明かりに溶けそうなくらい明るい髪色。

銀色に光る装飾品が体のあちこちでコンビニから漏れる光を反射していて眩しい。
思わず目を細めるほどだ。

長めの前髪で顔の全体はよく見えない。
だけど綺麗な顔立ちだと思う。
こわいと、思うくらいに。

一瞬口に咥えているものがタバコかと思ったけれど、棒付きキャンディーだった。
それをペロリと舐めた際に覗いた舌は赤く、そこにも光るピアスが見えた。

誰だろう。
思わずぼくは身構える。

だってやっぱりどう見たって、月子ちゃんの友達ではないことは確かだったから。

本能的にわかる。
ぼくとは、ぼく達とは反対側に居る人間だって。

そう、桜塚達と同じ側。

ぼくらを虐げる側の人間だって。