ひかれるようにぼくは、再びその横顔に視線を向ける。
そこには何の表情も見つけられなかった。
月子ちゃんがその言葉をどんな気持ちで言っているのか、ぼくにはわからなくて。
気の利いた言葉のひとつも出てこなくて。
ドキドキと、ただ黙って隣りを歩くことしかできなかった。
「じゃあ、ここで」
コンビニの目の前で、月子ちゃんが足を止める。
反射的にぼくも止まり、その勢いのままに月子ちゃんに向き直る。
コンビニの賑やかな明かりが長く濃い影をぼくらの足元に浮かべた。
月は出ているのに星が見えない。
暗い、夜だった。