◇ ◆ ◇
「まぁ、そんな気はしてたけど」
暗い夜道を、近くのコンビニまでと月子ちゃんが送ってくれている途中。
外灯の下で打ち明けたぼくに月子ちゃんは相変わらずの冷静さで言った。
ぼく的には結構な覚悟で打ち明けたので、月子ちゃんのその反応に逆に拍子抜けしてしまった。
「き、気づいてたの…?」
「…最初、手首の傷を見た時、なんとなくね。その後のはどうしてかわからなかったけど、ちょうど食事時で。実際に食事した時、気分がものすごく悪かったから」
「そ、そっか…」
さすがというかなんというか。
ある意味ぼくがわかりやすくヘタレなだけなのか。
月子ちゃんはなんとなく気づいていて、それでも何も言わず黙っていてくれたんだ。
ちゃんとぼくが言うのを、待っていてくれたんだ。