数メートル進んだ先で、そろりと両足を地面に着地する。

やけに息が上がっていた。
体も少し震えていた。

だけどこわいからじゃなかった。
それとはまったく別の、感情だった。

「の、乗れた…」

ぽつりと呟いて、それからゆっくり後ろを振り返る。

視線の先で満くんと望くんが笑って手を振ってくれていた。
朔夜くんも、少し仕方なさそうにだったけれど、笑ってくれていたように見えた。

そこにはいつの間にか外に出てきていた月子ちゃんと弦くんも居て。
月子ちゃんの腕の中には女の子が居た。きっと、瑠名ちゃんだ。

遠くで月子ちゃんが少しだけ笑ってくれていたから、ぼくはまるで褒められたような気がして、嬉しかった。


胸が震えるくらい、嬉しかったんだ。