朔夜くんの言葉の重みにぼくは益々俯くことしかできない。
ぎゅう、とハンドルを握る手が痺れるように痛い。
手にばっかり力を入れ過ぎるものだから、手の平にはまめができていた。
このぐらいの痛みなら、平気なのに。
情けなくて涙が滲む。
「もうだいぶ暗くなってきたし、そろそろ切り上げるか…」
確かにもうこれ以上はやっても意味がない気がした。
だってぼくは結局どうやったって、こわがりの臆病の弱虫なのだ。
痛いのが一番、イヤなんだから。
……本当に…?
「…ま、まって…もう1回だけ…これで、最後だから…!」
ぼくはずっと、一生、このままなんだろうか。
こうやって何もできないまま、生きていくのだろうか。
だって、それって結局、ぼく次第なのに。