ネットの中にはたくさんのレシピがある。
ぼくは検索結果に並ぶレシピの材料と作り方を確認しながら、おずおずと口を開いた。

「…あの、砂糖とか、あるかな…」
「調味料ならたくさんありますよ」

「じゃあ、プリンなんてどうかな…電子レンジでもすぐにできるし、かぼちゃとバナナとヨーグルト…それぞれ3種類の味もできそうだし…」

おそるおそる言ったぼくに、弦くんがぱぁ、と顔を輝かせた。
とても嬉しそうな笑顔だった。

「月子ちゃんの、好物だね! 月子ちゃん風邪ひいて食欲なくても、プリンなら食べれるもんね」
「弦、余計なこと言わないでいいから」

弦くんの言葉に、月子ちゃんはわかりづらく照れているようだった。
少しは役に立てたようで、なんだかぼくも嬉しかった。