一瞬で青くなるぼくに月子ちゃんも状況を理解したらしく、渋い顔になる。

朔夜くんは月子ちゃんの手を握ったまま、再度口を開いた。

「弦から携帯に連絡があって、部屋で寝ているはずのお前が居ないって…っ」
「…ごめん、その…今日は絶対に買い逃したくない、タイムセールが…」

言ってる月子ちゃん自身も、苦しい言い訳だってことには気づいていた。
だけどコトの経緯をすべて話すわけにもいかなくて、結果、月子ちゃんの大事な家族に余計な心配だけかけてしまった。

ぼくの、せいだ。
ぼくが月子ちゃんに余計なこと頼んだから――

「あ、ああの、ごめんなさい、ぼくが悪いんです…!」

気づいたらぼくは、月子ちゃんと朔夜くんの間に体を割り込ませていた。

ぼくの家族の事情に勝手に巻き込んで、イヤな思いさせただけじゃなくて、月子ちゃんの家族にも迷惑かけてしまうなんて。
情けなくて申し訳なくて悔しい。

ぼくは月子ちゃんに、迷惑しかかけてない。
なんにも返せていないじゃないか。