ひーってば、なんて健気なんだろう。
体調不良で参加できないのは仕方ないことなのに、わざわざ電話までしてきて。
昔から責任感強いんだよね、ひーって。
あたしは携帯を閉じ、言われた通りにひーの言葉を伝えた。
「そんな、心配しなくても大丈夫なのにー」と、ひーと同じグループの子たちは笑っていた。
それから少ししてから、買い出しから香波ちゃんたちが帰ってきて、作業が再開。
いつもなら、作業中は何も考えなくて済むのに、今日はなんだか落ち着かない。
ひーがいない、というだけで変な感じ。あたしたちは毎日のようにくっついていて、片時も離れようとしないぐらいだったから。
いつしかひーを嫌うようになったあたしは、一緒に過ごすのが苦痛になってきて。
だから今は、ひーがいなくて正直ホッとしている。
だけど、何故か胸がざわついている。
ただの体調不良ならまだしも、夏休み終わりまで休むなんて、ただの風邪か何かではないということは確か。
……大丈夫かな。