学校に着くと、高村くんをのぞくみんなが、すでに準備を始めていた。


「おはよう」


ちらほらと、「はるひおはよう」と挨拶が返ってくる。


この時、ひーの場合はクラスの全員が元気な挨拶を返してくれるけど、あたしの場合はそこそこ仲良しな数人からしか返ってこない。


昔からずっとそうだったから、もう慣れてはいるけど、やっぱりひーとは違うんだ、と思って気分は沈む。


……って、あたしはひーの体調の心配もしないで何考えてんだろ。


ため息をつきながら、今ひー以外の友達で一番仲がいい香波ちゃんのもとへ向かった。



「おはよう、はるひちゃん。あれ……裕菜ちゃんは?」


香波ちゃんに挨拶を返してから、ひーが今日からしばらく来られないことを伝えた。


「そうなんだ……。大丈夫なんですか?」


「つか、珍しいよな。中里が休むなんて」


香波ちゃんに相づちを打つように、隣にいた相沢くんも会話に加わった。