公園から歩いて、やっと家に着いた時にはもう辺りは真っ暗だった。
「ごめんね、はる。送ってもらっちゃって」
「いいよ。あたしの家もここから10分弱のとこだし」
あたしが言うと、「それもそうだね」と、ひーは苦笑した。
「はる、春休みいっぱい遊ぼう!冬休み、あんまり一緒にいれなかったし」
帰ろうとすると、ひーがあたしの手を握りしめ、引き止めるように言った。
春休み──この単語が、ひどく切なく耳に届いた。
短いけれど、まだ“二年生”でいられる最後の期間。
三年生になってしまえば、お互いの道を探し、歩いていかなければならない。
今と同じままでいることは、絶対にできない。
三年生で皆、何かしら変わっていくはずだ。
でも、あたしたちの友情は、何があろうと絶対に変わらない。
そう断言できるのは、この一年、本当にたくさんのことがあり、その都度乗り越えてきたから。
「もっちろん!」
あたしが答えると、ひーは満面の笑みを浮かべた。
「はる!また明日ね!」
「また明日、ひー」
あたしは大きく手を振った──。