学校が終わってからお見舞いに来てくれたひー。


でもちょうどあたしが寝ちゃってたから、看病がてらあたしが起きるのを待つと、ひーは部屋に入れてもらうようお母さんに頼み込んだらしい。


「はるが熱でダウンなんて、夏に雪が降るぐらい珍しいから、ただ事じゃないと思ってさ」


いたずらっぽく笑うひー。


「ちょっと。それどういう意味?」


あんなことを言いつつも、ひーは本当にあたしを心配してくれている。


それがわかっているからこそ、あたしもわざと怒ってみせた。


「あはは!ごめん、冗談だって。富士山が噴火するぐらいだよね」


「若干表現がマシに……なってもないような気がするけど」


あたしがムッとしながら言うと、ひーがケラケラと声をあげながら笑った。


それにつられるようにして、あたしの頬も自然と緩む。


「ははっ……ひーのバカ」


「バカって言ったほうがバカなんですよーだ!」