そもそも学校生活は、ハウエブァー、な出来事ばっかりだ。
いつだってそう。今だってそう。
『勉強以外のコト』は、さっそく、一時間目が終わってすぐにやってきた。
──ガンッ!!
とつぜんひびいた大きな音が、クラス全員の視線をかっさらった。
ものすごく、痛そうな音だった。
わたしも、音の先をみる。みんなの列からずれて、ひとつだけナナメに飛び出た机が、わたしの目にとびこむ。
机のそばには一人の女子がふんぞり返って立っていて、机の持ち主は、肩をちいさくすぼめている。
その光景を見て、すぐに理解した。蹴ったのだ、嶋田さんが。
授業が終わって、われ先に席を立った嶋田さんが、まだ座ったまま、教科書を机にしまおうとしている菜落ミノリの机を、蹴った。
「・・・・・・ジャマ」
女子とは思えない、ドスのきいた声に、クラス中が静まりかえる。
風にひるがえったカーテンが、窓をなでる音が聞こえるくらいの、しずけさ。
とうとう、きたか。そう思った。
犯罪現場を目撃したみたいな気分になって、わたしもキュッと、口まわりの筋肉をひきつらせる。