覚える、違和感。何度も読んだ話のはずなのに、なぜかしっくりこなかった。
・・・こんな話だったっけ。
主人公は、こんなにキラキラしていたっけ。
わたしはアキと、どのシーンで「これチョーわかるーっ!」って、盛り上がったんだっけ。
まだ白さを残した四巻では、ケガをして、挫折しかけた主人公が、バスケに復帰する場面があった。
根性。努力。友情の大切さ。キラキラ、キラキラ。とてもまぶしい。
これチョーわかるーっ!とは、とても思えなくて、わたしは途中で読むのをやめてしまった。
マンガを乱雑に積み上げ、寝返りをうつ。
そして、気づいた。
学校と部活がないと、ヒマだ。
いざなにかしようとしても、することが見つからない。
深い、ため息をつく。夏休みに入る前に、おそろしい事実がうきぼりになってしまった。
いそがしくて走り回るより、ヒマと戦うほうが、案外きびしい。
わたしとおなじく、ベッドに横たわっている携帯を、手に取る。
フロム、田岡広大。
おととい届いた既読メールを、ぼんやりとながめた。