しばらくすると同じような作業に飽きてしまい、手は止まりはじめ、分け方も適当になってきた。
しまいには、手当たり次第につっこんで終了。まあ、最初よりはマシ。
「・・・ふう」
息をつくと、心身ともに、疲れきっていたことに気づく。慣れないことをしたからだ。
つめこみ作業をほどこされた引き出しは差し引いて、床の上に、モノはほとんどなくなった。
スッキリして、さらに地味なわたしの部屋。
休憩。片づけの途中で発見したマンガを、顔の正面で、パラパラとめくる。
これは、たしか中学一年生の最初に、ハマっていたマンガだ。奥にしまいこんで、存在すら忘れていた。
バスケ部に入りたてのころ、アキと一緒に寄った本屋で、このバスケットマンガを見つけたのだ。
新鮮な、部活というひびき。
バッシュをキュッと鳴らす、体育館の床。
ざらついたボールの感触。
はじめてできた、先輩。
好奇心とやる気にみなぎっていたわたしは、迷うことなく、マンガを持ってレジへと向かったのだった。
あれからもう、一年以上がたつ。
ベッドの上に舞い戻ったわたしは、ページが黄色味をおびた一巻から順に、流し読みしていく。