今ごろ学校では、わたしの散々なウワサと悪口が、流れているんだろうな。

ど真ん中に君臨する、嶋田さんを軸にして回り続ける、二組の教室。


嶋田さんのなかでは、とんだ災難だったと、片づけられているのかもしれない。

田岡とわたしに、連続して襲撃されるんだから。

冷静になって考えてみれば、嫁入り前の女の子のほっぺたと鼻に、油性マジックで線引いちゃうってのは、さすがになかったかな、とも思う。絶対に、謝らないけれど。

ああ、これで、わたしの配役は悪役ペンカッターに決定。


カーテンのチェック柄がうっとおしくなって、寝返りをうつ。頭が、マクラのはしに移動する。

チェックのかわりにわたしを出迎えたのは、七月のカレンダーだ。

二十一日のところを、黄色いペンでギザギザと目立たせていて、その真ん中には、「夏休みスタート!!」と文字が書いてある。


・・・夏休みが、もうじきでよかった。


このまま夏休みに入ってくれれば、とりあえず、問題を先延ばしにできる。

出席日数とかも、多分大丈夫だろう。部活は、もうだめだな。