視界の片隅で揺れる、遊の前髪。 焦りにも似た遊の呼吸、体温。 遊は切なそうな表情で私を見下ろす。 それは、憂いを帯びていて美しいと思った。 私の身体は、酷く遊に馴染んでいる。 今夜も熱帯夜。 汗ばんだ肌が触れ合う。 遊の身体も、酷く私に馴染んでいる。 唇を塞がれると、涙が滑り落ちた。 何の不安も不満もない。 私は確かに幸福だ。