花火が打ち上がるたびに、窓から差し込む明かりが保健室を照らしていた。
先生を見上げる。
その眼差しは苦しくなってしまう程、優しいものだ。
先生は保健室の扉へ向かうと、鍵を閉めた。
そして、
電気も消してしまった。
暗い室内を照らすのは、花火の明かりだけ。
そこにいるのは、あたしが知っている先生ではなかった。
少なくとも、昼間、保健室で生徒の相手をする先生ではない。
立場とか、ルールとか、何もかも全て脱ぎ捨てて、
ただの男と女になった時、一体何が残るだろう。
先生はベッドに腰かけると、手を差し伸べて言った。
「おいで。」