「どうして制服?」
「学校に来るんだから、制服でしょ?」
雨音の答えに、俺は思わず笑ってしまった。
「真面目だね。」
今度は、雨音が笑った。
「真面目かもしれないし、不良かもしれない。」
「え?」
デスクの引き出しから取り出した灰皿の中で、俺は吸いかけの煙草を消した。
「……ねぇ、先生。」
「ん?」
打ち上がる花火の音が、地上に落下する。
「先生があたしの事スキじゃなくても、あたしは先生の事がスキ。」
視線を合わせると、雨音はまるで挑むように俺を見つめる。
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