「本当に信頼できる奴なのか?」


「はい!」



梨子から返ってくるのは、自信に満ちた気持ちのいい返事。






電車で向かう先は、終点の白岩。





いつまでも行き当たりばったりの逃亡生活を続けるには限界があった。



どこか落ちつける場所があれば……と、話す俺に、梨子は言った。


一人だけ信頼できる人がいる、と。




その人物は白岩という町に住んでいるらしい。








………白岩、か。





「昔、住んでいた町なんです。
引っ越してしまったので、住んでいたのは7歳まででしたが。
引っ越してからも、友達に会いにきていて……何だか懐かしいです!
白岩は、海が綺麗な町なんですよ!」





梨子の話を聞きながら、俺は複雑な気持ちでいた。







俺は、その町を知っている。