荒い呼吸、潤んだ瞳の梨子が俺を見上げる。 梨子は、慈愛に満ちて微笑んだ。 俺は、その瞬間、 今なら死んだっていいとさえ思った。 狂気じみて、異常だとしても。 解き放たれる時に、 俺は梨子を強く抱きしめて、耳元で言った。 「……ッ愛してる―……。」 梨子の細い腕が、俺の首に絡みつく。 真っ赤なシーツの中で、 愛の海に溺れていた。