「梨子、風邪ひくからシャワー浴びろよ。」
「朔ちゃんは?」
「……俺は、後でいい。」
そう答えて、俺はベッドに腰かける。
いくらラブホとはいえ、全く趣味の悪い部屋だと思った。
こんな緊急事態じゃなかったら、絶対に入らないだろう。
そして、俺自身、困惑していた。
ラブホに二人きり……。
自分の理性には自信があったものの、さすがに気まずい。
ここがラブホだと、梨子が気づいていないだけマシだったが…………。
やる事もないので、俺はテレビのリモコンに手を伸ばし、スイッチを入れた。
すると…………。
『ァン……ァ、ア…いやぁ〜。』
なっ!!?