「夕立です!もしくは、嵐です!」






白く明るすぎる空が、また光る。



再び鳴り響く雷に加えて、土砂降りの雨。






……今日は、とことんツイていないらしい。








「梨子、行くぞ。」




俺は、梨子の細い腕を引いた。



ただでさえ、体調が悪い梨子はヨタヨタと歩きだす。




その様子を見て、俺は堪らない気持ちになる。






ッチクショー!俺は、女ひとり守れねぇのか!?









掴んでいた梨子の腕を離し、立ち止まる。




自分が着ていたカーディガンを、頭からすっぽり梨子に被せた。