「朔ちゃん、恋人はいますか?私は、いません。
でも、好きな人はいますよっ!」




ズキン、と俺の胸が痛んだ。






「中学生の時から、ずっと私はその人を見てきました。
初恋なんです。」


「…………。」


「でも、きっと、
初恋は叶わないものなんですよね。
朔ちゃんの初恋は、いつですか?」




梨子に背を向けて横になる俺は、そのままの体勢で口を開いた。







「……俺も、中学の時だ。
クラスのマドンナで、明るくて、優しい女の子だった。
…俺も、ずっと初恋の彼女を忘れられなかった。昔の自分を思い出すと後悔ばっかで。……情けなくて、さ。
……けど、今は……今は、やっと前へ進めそうな気がしてる。
………梨子のおかげだと思う。」