「…でも、私は信じられます。
世界中が敵になっても、私は信じますっ!戦いますっ!!」
そう言って、梨子はファイティングポーズをとる。
……よく、そんな恥ずかしいセリフが言えるもんだ。
………恥ずかしいセリフって事にも、気づいてねぇのか……天然は得だな。
でも、言われた方は……とんでもなく、恥ずかしいぞ。
梨子と話しているうちに、俺は落ちつきを取り戻していた。
この子が、自分にとって精神安定剤のような役割を果たしている。
俺は、きっと手放せない。
それでも、芽生え始めた感情を認めるわけにはいかなかった。
俺たちは、あまりにも特殊な形で出会ってしまったから。
出来るなら、
普通に出会っていたかった。
世界から、はみ出す前に。
君と出会いたかった。