「朔ちゃん!すごいですよ!!
このお部屋、露天風呂がついてます!」


「…………。」






ニュース番組を凝視したままの俺。





梨子は、いきなりテレビを消した。




「オイっ!」


「考えるのは止めましょう!大丈夫です!
旅館の方だって、単なるカップルの旅行と思っていらっしゃいましたし。
いざとなったら、ちゃんと証言しますから。」


「……麗也さんの事は、どうする?俺じゃねぇって、誰が証明できるんだよ。」

「私が証言します!」




……何言ってんだ、コイツ…。







「今日一日、私はずっと朔ちゃんと一緒にいましたから。
これでも、どんな方なのか見ていたつもりです。
私が見ていた朔ちゃんは、優しくて、笑顔がステキで、要領が悪くて、ツメが甘い、正直な方です!」


「…後半、バカにしてねぇか?」


「朔ちゃんは、人を殺せるような方ではありません!………って、人殺しに言われても困りますよね……。」




梨子は、急に肩を落としてシュンとする。






「励ましてた奴が、落ち込むなよ。」