「うわぁ!温泉街って感じですねぇ!」



窓を開けて、梨子は呟いた。






俺とは正反対に、落ちついている梨子。




捕まるかもしれねぇってのに。








高級旅館に泊まろう、と言って譲らなかった梨子。










……全て、梨子の言ったとおりになった。




俺は、店長を殺害して、店員を人質に逃亡している凶悪犯。


そう、世間は思っている。








………だけど、やっぱり可笑しい。





あの時、麗也さん……九条修也は確かに生きていたんだ。






俺は殺してない!!












……だったら…一体、誰が………?