…………は?
その身体を揺すってみても、微動だにしない。
焦った俺は、呼吸があるか確認する。
やめてくれよ、人殺しなんかゴメンだ!
祈る思いで、ライオンの鼻に耳を傾ける。
ライオンは、しっかり息をしていた。
はぁ、んだよ、気絶してるだけかよ……マジ焦ったぁ…………はっ、ダッセ。
一息ついて、俺は周囲を見回す。
気絶してるだけだって、余計な勘違いはされたくねぇ。
真夜中、
繁華街といっても、ここは裏通りだ。
人通りもない。
店の専用駐車場、来るとすれば『One』の従業員くらいだ。
駐車場の向かいには、コンビニが一軒。
その時、俺の頭の中にバカげた考えが浮かび上がった。