「テメェ!聞いてんのかよっ!!」
今度は顔にケリを入れられて、俺はまた地面に叩きつけられた。
「大体、お前その服気持ち悪ィんだよ!クズが!!」
吐き捨てるように麗也さんは言い、俺に背を向けて、開きっぱなしの車のドアに手をかけた。
……俺は“桜”じゃなくて、藤嶋 朔だよ。変な源治名つけやがって。
クズはオメェだろ。バカが。
俺は、ずるりと起き上がる。
パチンコにハマって借金まみれ。
女にも逃げられて、仕事も続かねぇ。
ホストになりゃ、手っ取り早く稼げるかと思えば、このザマだ。
……結局、クズは俺も同じか。
白いスーツ着て、高ぇ腕時計ハメて、クッセぇ香水つけて………このクソヤロー。
肩に手をかけて、金髪ライオンが振り返った瞬間、
俺は力任せに拳を下ろした。
そのまま金髪ライオンは、背後のコンクリートの壁に身体ごと打ちつけて動かなくなった。