「…まぁ、度胸試し?……ってサイテーか。」
「……はみ出しちゃったんですね。」
「はっ?」
奥田梨子は、ニコリと笑って言った。
「私も、朔ちゃんも、世界からはみ出してしまったのです。
だから、はみ出した新しい世界で、私達は二人きりなんです。
それは、ステキな事です!」
なぜか嬉しそうに笑う奥田梨子の笑顔は、まるで天使だった。
一点の曇りもなく、罪を犯した天使は笑う。
「…ステキ…か?」
「はい!
せっかくですから、逃亡生活を楽しみましょう!」
「え?」
「大丈夫です!お金には困りません!」
そう言って、重いボストンバックを持って見せた。
「とりあえず…服を買いましょう!」
「……そうだな。」
……俺の格好は目立つからな。