俺は、何だか弱みでも握られている気分だ。 ボケ女は、あっけらかんと言った。 「後藤様、逃げられる所まで逃げませんか? 何だか、面白そうです!」 「面白そうって……。」 ……それが、殺人者のセリフかよ………。 「とりあえず、高速に乗りましょう!少しでも遠くへ行かなければなりません。」 「…………オイ。」 「はい?」 「後藤様、後藤様って、俺は後藤じゃねぇよ!」 ボケ女は、それを聞いて、やっぱりニコリと笑う。