「お前、自分がしたこと分かってる?」
「……はい。」
「借金抱えてホストになったばっかのド素人のテメェと、『One』のNo.1の俺。
分かってんのかよ?あぁ?」
「…けど。」
「はっ?」
「……ミキさん、ずっと待ってました。」
その瞬間、俺は思いきり殴られた。
地面に叩きつけられて、重い痛みが頬に広がる。
唇の端が、切れたのが分かった。
「あーぁ、めんどくせ。
ビンボー女子大生のミキと、やり手女社長のレイコ。どっちがイイ客かって、考えなくても分かんだろ。
んな事で、いちいち俺に意見してんじゃねぇよ!」
切れた唇から滲む血を拭う。
俺の手の甲に、真っ赤な血。