「襲われそうになる前に、店長は金庫を開けていて、そのままになっていました。
あっ、このお金もご一緒に詰めておきますね。」
ボケ女は、笑った。
俺は、死体から目が離せない。
黒髪と白髪が混じりあった髪、
目を見開いたまま死んでいて…………。
……この女、一体…。
「キャーーー!!!」
突然、店に響いた叫び声。
振り返ると、店の入り口にホステスっぽい若い女。
…ヤベぇ!!
ホステス風の女は、強盗の俺を見て悲鳴を上げていた。
俺は、咄嗟にボケ女の肩に腕を回して、声を上げた。
「来るな!!来たら、この女、ここで殺すぞ!!」
包丁を突きつける。
ホステス風の女の顔は、真っ青になっている。
その時、ボケ女が俺にしか聞こえないくらいの声で言った。
「バックルームに裏口があります。」
裏口!そこから出れば、すぐにあのベンツに辿り着く!!